ホキ美術館/日建設計

年明けに日経アーキで見て以来ものすごく楽しみにしていた作品。
ものすごく唐突に新興住宅地の端、大きな森とのエッジに建つ。
長方形を押し出したようなリニアなボリュームが積み重なった構成。
一番最初がキャンチのすごいボリュームで、上から少しずつ下りていくシークエンス。
ディテールはとてもきれいだし誘発目地がうまくデザインされているあたりも組織らしい精度。
すごいのは下の方にいくと機械室までガラス張りにしチューブ状ボリュームの中のリニアさをキープしようとしているところ。
その辺のかっちり感がとても組織らしいシステムの運営の仕方という気がする。


残念だったのは建築がこの場所の何とも結びついていない感じ。
一番圧倒的なキャンチの部分がアプローチシークエンスの裏側になっているところ、そのキャンチの先に思いっきり新興住宅地が広がってるところ、隣には森が広がっているのにそれも全く見えないところ。


建築そのものはとてもきれいに出来ているし、ディテールはとても洗練されているが
どこか現代建築という感じがしない。何にも負けてない力強さのせいなのか。


ベンツのスポーツカーのようだと思った。
質実剛健で、風にアフォードされた流線型のデザインなどではないのだが、すごい速い。