マリアビートル/伊坂幸太郎

伊坂さんはもうこういう純粋なエンターテインメント小説は書かないのかと思っていたので、ちょっと期待はずれな反面、やっぱり抜群に面白い。
終盤気になりすぎて、昼休みにドトールに一人こもっちゃいました。
エンターテインメントというのはつまり、読む/見る相手に期待感を生み出すことと、ちゃんとそれに応えていく作業の積み重ねなのだと良く分かる。


エンターテインメントの中に垣間見られる文学性という構図の方が何かを伝えやすいという伊坂さんが確立したといってもいいようなスタンスが社会に求められているんじゃないかな。
隈さんなんかどっちかといえばそっち寄り。


長い年月生き続けていること、何かを続けていることはそれだけですごいのだというメッセージにはとても共感します。
僕自身最近そういうものばかり選んで見聞きしているように思う。
そしてそういうものと新しいものの橋渡しができるようなものづくりがしたいと日々考えている。


それはアーカイブがどんどんストックされていく世の中に対するものづくりの前向きな姿勢だと思う。

マリアビートル

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