父として考える/東浩紀・宮台真司

なんとなくこの本を手にしたのは、同じ状況にいると思っていた親友が父になることで、自分が父親になるリアリティを少しだけ感じたからか。


子供を持って思うようになったことについての対談から始まり、徐々に教育、大学の現状から、学力に代わってコミュニケーション能力が重要になっていくこれからの社会についてと話題が移っていく。


これまで、どうして郊外の道路沿いはファミレスが並ぶ画一的な風景になってしまうのか全然理解的なかったけど、それに子供の存在が大きな影響を与えていたということが読んでよく分かる。逆に下北沢とか高円寺のような若者からすれば住むのに魅力的な街は、バリアフリーじゃなかったり、子連れお断りなレストランが多くて住みにくいという。目から鱗


以下引用

住民が多様であり、比較の基準が複数あるような場所に住むことが重要だと思います。何階だから偉いというような一元的な基準に集約されてしまう場所は、できるだけ避けた方がいい(東)


僕の兄弟や妻の兄弟が近くにいれば、「大家族的」になるのにな、ということと同時に、東浩紀さん家族や大森望さん家族なんかが相談して近くに住み合えば「大家族的」になれるんじゃないかということです。孫の時代になったらそうしようかなどと親しい友達家族と話しています。もちろん、そうなるには地域で回る自立的経済圏の樹立による職住近接化が必要ですが。(宮台)


虚数は存在しないけど、存在すると仮定することで現実の計算が可能になる。同じようにロマンチシズムとリアリズムは対立するものではない。ロマンがなければ現実は動かない。ロマンチシズムを導入することこそがリアリズムであることがありうる。(東)

最後の言葉は耳が痛いw

父として考える (生活人新書)

父として考える (生活人新書)