コラム もうひとつのライトネス-ローファイをめぐって/塚本由晴+川俣正

2001年3月だからちょっと古い対談ですがあしからず。この中で塚本は肩肘を張らない自由気ままなデザインをローファイと呼んでいて、そこに建築のライ ト感を求めているが、これは例えば藤本壮介の言う「弱い建築」と隈研吾の言う「負ける建築」のちょうど中間にでも当るのだろうか。対談の中で塚本は一見デ ザインの弱さをテーマにしながら社会性をも視野に入れており、1枚岩でない社会では社会性は水平軸方向に広がるとしていながらそれでも社会性を更新しない 建物には興味がないという。論が矛盾しているようだが結論としては伊東豊雄と同じことを言っている。今の僕に問題なのはローファイのおしゃれさと社会性の 更新が設計でどう結びついているのかってことなんだけど。