ビルディングタイプの距離

翌日のMV+SOSと手塚さんの内覧会を見るために高速を北に向かって車を飛ばすうちに彼女と何故高速のインターの近くにはこんなにラブホが多いのかという話になってわざわざ高速を途中下車する人がいるのかそれならむしろ高速直結のラブホがあればいいんじゃないかいややっぱり地元の人が使うんじゃないかじゃあ何故高速の側なのかと話が進んで、結局高速のインターという場所が市街地から離れた場所である上に、どこでもいいんだけどどこか遠い所へ接続しているという点で非日常的な場所であるからで、それはその場所あるいはラブホテルの持つ「匿名性」と言うべき力に起因するのではないかという結論に至った。


とここまでは思い出せないんだけどどこかで同じ事を言った人がいたような気がしたんだけど、そこで逆にラブホテルという建築のビルディングタイプが持つ異常なまでに強い影響力のことを思って、例えば渋谷なら円山町とか新宿なら歌舞伎町の奥とか池袋なら西口の線路沿いとか彼ら(ラブホ)は必ずまとまって裏さびれた場所をつくっているけど、それは彼らの存在自身がそういう場所をつくり出すのと同時に、彼らが場所として潜在的にうらさびれた場所を探し出してきた結果というのもあるんじゃないか。逆に例えば駅のロータリーに面したとことか都庁の隣とか丸の内の真中とか常識的に彼らが建ち得ないような場所に建ちえるようにデザインできればそれは全く新しいビルディングタイプを生み出すのではないか。この逆が真ではないにしてもつまりビルディングタイプとはその建物がその場所を社会的に観察して生まれた「建ち方」そのものなんじゃないかとふと思った。