ミュンヘンライフ

先週末の話しになるけどこっちでさんざんお世話になっているN村さんの頼みで土曜だったけど彼女の働いている建築事務所で模型のバイトをしてみた。ふらっとチャリで行ってカプチーノを飲みながらスチレンボードを切り始める。土曜日だということもあるのかもしれないがこっちの人は本当にカフェでお茶を飲むかのように働いていると思った。とにかくオンとオフが曖昧な感じ。だからストレスも少ないのだが、その鬱屈したパワーが面白い何かを生み出すこともまた、ない。常にカウンターを狙っているような日本のひねくれた状況というのが少し懐かしいなと思ったが、こっちの常に何かが空いたグラスに飲み物をついでくれているような状況のが明らかに健全だと思うのだ。


でどういう社会とか都市のシステムがオンとオフが曖昧なこの状況をつくっているのだろうかと少しだけ考えたけど、勿論どうにもならない都市のスケールとか自然量の問題とかは別にして、シンプルにもっと自分の幸せを優先させようとする気持ちがこの国の人は強いだけだと言えるかもしれない。例えば「お客様は神様です」という概念がまず、ない。夜8時に店を閉めるなら7時40分を過ぎたら間違いなく客の相手をしないし8時にはきっかり店を閉めようとする。そこには客商売でも自分たちの都合=幸せを優先させようとする気持ちがあるからだし第一、州の法律でそれ以降店を開けられないことが決まっている。来る前はそんな店が8時に閉まる生活なんて想像できなかったのだけど、慣れてしまえばなんてことはない、むしろその決まりこそが社会全体から肩の力を抜く大きな要素となっているようにすら、快適にすら思うのだ。