ホールデンスタジオの1

リチャード・ホールデン(url)のスタジオが始まって昨日初めてのプレゼンテーションがあったのだが、必要以上にリサーチをするあの発想というのは一体どこから来ているのか疑問だ。課題はベネチアの市街から少し離れたラグーンを敷地として想定しているのだが街の歴史からビエンナーレの詳細から船からインスピレーションを受けている建築についてからベネチアの天候のことからそこで使用されているゴンドラの種類までとにかくありとあらゆるリサーチを強いられる。謎。ちなみに僕は水上の現代建築について調べてDiller+ScofidioとかAsymptote とかLindy RoyとかMaki&AssociatesとかAcconci Studioのそれらがどんな建ち方で水との関係を捉えているかを話そうとしたのだが今僕の英語はドイツ語のせいでとにかくひどくなっていて、かなり恥ずかしかった。


ホールデンは建築をプロダクトのレベルで考えたときにデザインがどうなるかということをテーマにしているように僕には見えるのだが、実際に本人はもっとくだらない葦の先に鳥の巣ができている写真とかゴンドラの流線型とか抽象化されるための具体的なイメージの話しをしたがる。その辺はかなりナンセンスで、学生の完成品を見るとそっちの影響を受けすぎてみんな同じものができていて笑う。3年生とか4年生もいるから仕方ないのだろうか。聞くところに寄るとヘルツォークの課題でも皆同じアウトプットになるらしい。教育方針の違いなのか。
僕はとりあえず船と建物の中間の建築みたいなものをぼんやりと頭に描いていてそれをプロダクトに近づけようとしていく段階でデザインが何を強いられるのか、そしてそれが住宅メーカーのつくる大量生産のための建築とどのように差異を保っていられるのかを探っていくつもり。