エスキース2withホールデン

今週のホールデンの2回目のクリティークに僕はポール状のものが連結されている状態の模型を水に浮かした動画を使ってプレゼンテーションしたのだけど、これもどうやら彼らの土俵の上にないらしく、土俵の上にないとまともな話し合いにならないのが彼らのやり方のようで、建築へのアプローチの仕方が極端に少ないと僕には思えるのだけど、嘆いても仕方ないので土俵の上に乗ってそれを耕してやる方法を常に模索している。
それでも2週間土俵から転がり落ち続けたおかげで見えたことがあって、ホールデンはあれだけプロダクトっぽい建築ばかりをつくっているにも関わらずプロダクトという概念を戦略として持っているわけではなくて、建築を軽やかに作ることを考えているうちに結果として建築がプロダクト色を帯びてくるだけの話しのようなのだ。これはすごく面白くてそもそも建築とプロダクトの間に特にボーダーを構えていないという事実と両者の裏に共通してあるテクノロジーにかなり絶大な信頼を置いているという事実との二つを根底にしている。


僕は当初からプロダクトとして建築を考えていく方法論に興味があったのでどうしてもユニヴァーサルな方向に走ってしまうのだけど、彼はプログラムとか周辺環境との関係とかその場所ならではの立ち方とかものすごくノーマルに建築を考えるステップを踏んでいこうとする。つまり彼自身のフィルターがそもそも異常に出来ているのだ。もしかしたら殆どの海外の建築家とはかなり感覚的でそう戦略的でないのかもしれないと思った。こういう事実に比べると日本の建築家は本当に戦略的だと思えるのだけれど、それですらうちの先生の影響かもしれなくて、人を納得させたり説得したりする方法はもっといくらでもあってたとえものすごく感覚的にやっていてもある土壌では受け入れられてある土壌ではもっともらしいレトリックを更に必要とするだけなのかもしれない。ここの土壌では説明などしないで華麗に踊ればいいだけなのかもしれない。次回は風によって回転する建築を考えている。