INAX対談:塚本由晴vs江頭慎

crz_joe2005-09-13

INAXの空間の実践と制作対談シリーズの最終回だと言うことで緑が丘から自転車で駆けつける。
学生として彼の対談を聞くのも最後かも知れない。
江頭さんはカメラやスーツケースといったインストゥルメントを用いて都市を再解釈するインスタレーションをするアーティストでAAスクールで教えている。
建築家やディベロッパーが手をつけられないような舞台で、
街にどんな魅力を見いだせるかという
作品における論理づけられたコンテクスト(モチベーション)が明快なアート。面白い。
正直インストゥルメント自体に魅力は感じられないのだけど
それがうまく街や人のまわりに流れる時間を紡いでいる。
たとえば妻有のカメラオブスキュラを用いたインスタレーションでは
妻有のアートトリエンナーレでも誰も目を向けなかった小さな集落を舞台に
ラクターでそれを引っ張っていってはピンホール写真を撮り歩いたが
カメラというインターフェースを地域住民との間にうまく用いたのと、
そのカメラを行列のように引っ張っていく不思議と懐かしい風景が
その地域に流れる時間を絶妙に紡いでいる。
そしてそのインスタレーションやインストゥルメントが直接的に建築的でないとしても
そこに定着している時間を紡ぐという「枠組み」においては非常に建築的だ。