一千一秒の日々/島本 理生

一千一秒の日々
主役を隣の人にバトンタッチして入れ替わっていく短編恋愛小説。
吉田修一のパレードしかりこういう構成の小説はあったから今更だけど
個人を媒介にして世界を描き、それを少しずつ押し広げて客観的な世界がみえてくる感じ、
非常に現象学的だと思って、キャラありきで物語や世界が後からついてくる感じ
非常に東浩樹的ポストモダンだと思う。
それにしても若いのに人を幸せにするために黙々と小説を書いている島本理生
強い好感を持つのは僕が歳をとったからだらなのだろうか。


そういえば途中でやめちゃったけど
昔研究室時代に、各人に自分と似ている思う人を2人あげてもらうというアンケートを
とったことがあった。
当時の僕はきっと怒られすぎて自分を完全に見失っていたのだろうけど
そうすることによって小さなコミュニティが抱える超越的な世界と
その中における自分の存在を見つけたかったのだと今になって思う。