東京奇譚集/村上春樹

東京奇譚集
前の晩に会社のご近所になった321宅で1時過ぎまで酒を飲んだときに借りる。
“文脈”をうまくつくることというの僕は非常に大事なことだと思っていて、それはたとえば同じことを言ってもうっとりされるか、セクハラ呼ばわりされるかの違いに関わってくる問題で、僕はそのあたりは非常に計算しているつもりでいる。ところがこの本の中で村上春樹はそういう文脈のうまいつくりかたを全く見失ったかのような描き方をしていて、そもそも退屈な日常から面白く奇譚な方向にズレていくフィクションを書き続けてきた作家が今さら何をしようとしているのかまさに奇譚である。