形式の培養

実際にスタディしている人間の感覚を正直に言葉にしてみれば、うちの事務所のやり方というのは既に確立されてある形式をそれぞれ異なる建築条件を持ったシャーレの中に入れて培養するようなものだと思う。培養しているうちに菌と一緒でその中の与条件に併せて変化したり、突然変異したりする。その変わりようを見ているとその建築の与条件を再発見することになり、またそう気づくことで形式は変化していく。このときにボスが形式を使うのはおそらくそれによって建築の与条件を抽出しやすいからで、それによってスタディが確実になりやすいからなのだと僕は考えている。