ダニ・カラヴァン展@世田谷美術館

環境彫刻家カラヴァンの展覧会。
もう7年も前になるけど大学の研究室で見たベンヤミンの碑がどうしても見たくてスペインのフランス国境沿いの町ポルボーに寄ったことがある。
そのとき僕はトレドで身ぐるみはがされた後だったので、ガイドブックも何もなく、
あるのはスケッチブックとナップザックくらいだったけど
うろ覚えで覚えていた地名の駅で降りてその場でスケッチを書いてタクシーの運転手に道を尋ねてなんとかたどり着いたときの感動は今も忘れられない。


展覧会は会場からアフォードされたカラヴァンのいくつかの作品と共に
伝記的な構成で進む。


面白かったのは舞台芸術をやっていたときがあって
舞台芸術はすごく二次元と三次元の中間を彷徨っていて、たとえば最初からパースのきいた建物が二次元的に描かれていたり、だまし絵のように奥行きがつくられている。
カラヴァンが大地に刻みつけている彫刻って、ぜんぜん俯瞰的でないし、彫刻なのにどちらかといえば空間体験的につくられていながら、一方でものすごい直線的にのびる軸とか、
俯瞰的というよりは単に二次元的という気がする。
二次元と三次元の区別が弱いみたいな。
だからイサムノグチとかとは似ていてもぜんぜん違う、より偶発的に建築的な独特のアプローチをそこに感じる。


鹿児島の美術館にも行ってみたくなった。