メディア芸術祭@新国立美術館

crz_joe2009-02-14

メディアオタクといっても過言ではない僕にとって
毎年一番楽しみにしているのがこのメディア芸術祭かもしれない。


例年通っているとメディアアートの傾向がだんだん見えてきていて

・テクノロジーを駆使して知覚に訴えかけるもの
・テクノロジーを無駄遣いすることでアート的なもの
・メディア技術の境界を横断しようとすることでそのメディアの本質を浮かび上がらせるもの

の3パタンに大別できると思う。


今年はその点パタン通りでアート部門にはグッと惹かれるものがなかったのだけど
アニメーション部門の加藤 久仁生さんの「つみきのいえ」がすごかった。
http://plaza.bunka.go.jp/festival/2008/animation/001039/

温暖化の影響なのか水面がどんどん上昇していく街が舞台。
人々は家を縦に積み重ねるように住み替えることで生活をしている。
そんな家に住む一人暮らしのおじいちゃんが主人公。
ある日水面下の階に愛用のパイプを落としてしまう。
それを取り戻そうと潜水服を身にまといおじいちゃんは旅に出る。
パイプを簡単に取り戻したおじいちゃんだが
さらに深く潜ることをやめられなくなってしまう。


以下ネタバレ
おじいちゃんがひとつ階をもぐればそこにはおばあちゃんと一緒に暮らした思い出があり
もうひとつ潜れば息子夫妻と孫との思い出
さらに潜れば息子が小さかったときの思い出がある。
縦に積み重ねられた家にはまさにおじいちゃんの生きてきた時間がそのままあったというお話。


去年のnijuman no boreiもそうだったけど
http://plaza.bunka.go.jp/festival/2007/art/000813/
3次元の表現が容易になってしまったメディアにとって
今4次元をどう表現するかということがテーマとなっているのだと思う。


それは建築もまたしかり。