天竜市立秋野不矩美術館/藤森照信+内田祥ニ(習作舎)

すっかり藤森ツアーみたいになってしまった旅の終着点。

一見戦国時代とかよりもはるか昔に建てられた砦のようで
プリミティブとトラディショナルの間にあるような
歴史家である藤森さんにしかつくりえないような含蓄建築。
川沿いにべたっと広がった街から少し丘に登ったようなところにあって
その建ち方も見ていてかなりしっくりくる。
明らかな雨による建築の痛み具合も味になっていていい。



途中土間を上がった先に靴をぬいで裸足になって歩くところがあって
その奥の展示室の床が石張りで
僕はその足の質感だけで瞬時にインドを思い出したのだが
ふと画を見ると秋野不矩もインドに縁の深い人だったようで
この人はそこまで考えているのかと思うと鳥肌が立つ。



インテリアはかなり閉鎖的なところが多く残念だけど
建築ひとつに生き様をこれだけ表現できるってやっぱりすごい。