車窓の違い

ニューヨーク郊外を走る鉄道から外の景色を眺めていて、ほとんど同じようで日本と違う何かにじっと思いを馳せる。まず決定的に違うのがレンガの量。日本でレンガ造の建物なんてほとんど目にすることがない。
次に気になったのが屋根型。日本の家型は瓦屋根ありきなので実は鋭角な屋根を持たないがNY近郊はもっと鋭角なおそらく形式的な家型のコピーが並ぶ。
土木的な構造物に目をやると橋脚のプロポーションが全然違う。地震がないことを物語っている。
駅舎に使われている金網の量を見ると治安の違い、セキュリティに関する考え方の違いがよく分かる。
動くものに目を向けるとバスの色、タクシーの色が違う。日本の交通機関ランドスケープという考え方に対して疎すぎるとどこに行っても思う。
きっとそういうランドスケープの集積が僕らの根底に刷り込まれていて、僕はそういうものがつくっていく記憶の集まりの中にこそ建築はあるべきだと思う。