ロトチェンコ+ステパーノワ/ロシア構成主義のまなざし@東京都庭園美術館

crz_joe2010-06-07

創作+私生活のパートナーであった二人の個展。
とても面白かった。
特に抽象的な絵画からスタートした二人が徐々に構成主義的になっていく過程が見れるところ。
我々建築の人間にしてみたら「ロシア構成主義」といわれればリシツキーに代表されるようなかなり様式化された状況で解釈されるけど
二人の創作が変化する過程にそもそも「構成主義」ってなんだと考えさせられる。


二人の捜索はキャンパスに自由に描くことから、シンプルな線や面を用いた形式を利用したデザインにシフトしていく。
たとえばそれを見て僕はボスから有機的な形態の建築がやりたいと言われたスタートから
それをドローイングとして、建設物として実現可能にしていくために
徐々に分かりやすい構成をあてはめていったときの作業を思い出す。


そんなことを思い巡らしているうち、ふと僕は我々の周りにはすでに出来上がった構成があふれていて、実際に仕事をしていてどの瞬間にもめちゃめちゃ構成主義に陥っていることに気づく。
そしてこれを意識できているか否かはとても大きな違い。
仕事に追われていると忘れてしまいがちだけど
そんなあたりまえのことを気づかせてくれるのにいい機会。


既存の構成が山ほどあってその構成から逸脱しようとか、それを塗り替えようとすることが現代(=ポストモダン)であるとするなら、僕はやっぱりその既存の構成が何を背負っているのかをしっかり考えたいんだと思う。


ちなみにこれはFranz Ferdinandのセカンドアルバム。

You Could Have It So Much Better

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