憂鬱なハスビーン/ 朝比奈 あすか

群像新人文学賞受賞作。
群像というだけで胸が躍る時代じゃもうないのかな。
ハスビーン=has been=終わってしまったやつをテーマに人生を描く。
うまいんだけどなんかな、文学が普遍的な社会に内在する憂鬱を切り取る時代じゃないだろって気がしちゃう。
それを何かのせいに置き換えられる時代じゃなくなったじゃん。
世界から社会という概念が脆弱になって、もっとずっと一人称になったと思うんだよね。


終わってしまったなら今は別の何かなんだぜ。
と個人的にだから強く思う。
何事も引きずらないことというのが今年の教訓。
一瞬の反省は勿論大事だけれど。

憂鬱なハスビーン (講談社文庫)

憂鬱なハスビーン (講談社文庫)