風のパビリオン/隈研吾建築都市設計事務所

ロンドンを訪れていたのはチェルシーフラワーショーの庭園のひとつにこの小さなパビリオンを建設するため。



すむしこという細く割いた竹をパネル化し、その中央に屋根を支える鉄のロッドが入っているのだけど、ロッドとパネルの間にボールベアリングが入っており、風が吹くとパネルが回転するつくりになっている。


パビリオンの中でしばらくじっと座ってみた。 風が吹くと囲っている竹のパネルでモアレが起こる。床に落ちる繊細な影がメラメラと動いていく。建築の中では普段決して見ることのできない風が視覚化される。五感が強化されるような感触があった。http://instagr.am/p/EVn2o/


同じ庭に置かれたpeter randall pageの彫刻。硬くて柔らかい同じフィロソフィーを持った作品。 http://t.co/LJLfHQG
複数のデザイナーがコレボレートするとき、決して(特にビジュアル的に)調和するべきではない。そこには常にコントラストが必要である。極端な例を挙げる とすれば、人類の進歩と調和を掲げた大阪万博で原始的な造型の塔をぶち上げた岡本太郎太陽の塔は批判性を伴った秀逸なコラボだったと思う。




最初にうねうねした樹木やグロテスクな彫刻をメールで見せられたときには、正直全然違うでしょ、パビリオンとマッチしないでしょと思ってた。しかし実 際に目の当たりにしてみると一目で哲学が一緒なのが分かる。だとすれば見た目のコントラストがあるほうがよほどそれぞれが際立つ。