現代美術への視点 連続と侵犯 東京国立近代美術館

青木淳は展示室の壁と壁の隙間に空間をつくって表と裏の構成を反転して見せていて空間自体には全く魅力を感じなかったが発想は彼らしくてとても面白い。全 体として面白かったが高嶺格のビデオインスタレーションにはやられた。赤いソファと赤いベッドのある赤いセットの真中にでっかいクレイの顔があってそれが 登場する2−5人の男女によって形を変えながら"GOD BLESS AMERICA HOME SWEET HOME"と甲高い声で歌う。コマ送りで変化していくクレイも楽しいのだが時に全く無関係にその後ろで展開する男女の生活風景はひたすら飯を食ってセック スをするだけを繰り返しその醒めた感じは村上龍の小説のようであくまで政治的なテーマを羽織っているに過ぎない程度のスタンスが見えてとてもよかった。